

戦後の沖縄について学ぶ北海道の高校生が
直接お話を聞くティーチインイベントを開催
映画『宝島』公開記念 特別授業
ゲストは9月19日公開、話題の映画『宝島』から大友啓史監督と主演の妻夫木聡さん。戦後の沖縄について学ぶ150人の高校生が戦争や平和そして作品に込めた想いを直接お聞きします。
reported by 学生編集部 Y.Yoshida & H.Hasegawa / photography by R.Maeda
戦後の沖縄について学ぶ北海道の高校生が
直接お話を聞くティーチインイベントを開催
映画『宝島』公開記念特別授業
ゲストは9月19日公開、話題の映画『宝島』から大友啓史監督と主演の妻夫木聡さん。戦後の沖縄について学ぶ150人の高校生が戦争や平和そして作品に込めた想いを直接お聞きします。
reported by 学生編集部 / photography by R.Maeda

映画『宝島』
戦後沖縄を舞台に、史実に記されてこなかった真実を描き切った真藤順丈による傑作小説『宝島』(第160回直木賞を受賞)が遂に実写映画化! 監督は、映画『るろうに剣心』シリーズやNHK大河ドラマ「龍馬伝」などを手がけてきた大友啓史。主演に妻夫木聡を迎え、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ら日本映画界を牽引する豪華俳優陣が集結。激動の時代を駆け抜けた若者たちの衝撃と感動のエンターテインメント超大作。
監督:大友啓史
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、他
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
9月19日(金)全国公開

大友啓史監督・妻夫木聡さんによる特別授業
〜映画『宝島』をひと足早く観賞した高校生が直接お二人に質問〜
7月13日(日)@北海高等学校
大友啓史監督・妻夫木聡さんによる
映画公開記念特別授業
7月13日(日)@北海高等学校
開催目的
戦後の沖縄が抱えていた社会的背景や、そこに生きた若者たちの葛藤と希望を描いた本作を通して、戦後さまざまな困難の中、今あたりまえにある平和がいかに作られてきたかなど、歴史を学ぶと同時に「平和とは何か」「正義とは何か」といった普遍的な問いに向き合う。さらに、作品に込められた「友情」「冒険心」「選択の勇気」などのメッセージを感じて今後を生きる若者たちに必要な生きる力や他者との繋がりの大切さを学ぶ。
about 北海高等学校
創立140周年の北海道で一番古い私立高校。平和学習にも力を入れており、修学旅行では沖縄戦で使用されたガマやひめゆりの塔、平和記念公園なども見学。オンライン授業なども通して沖縄戦や平和について学んでいる。













──── 映画『宝島』観させていただき、戦後の沖縄を体感した気持ちになりました。撮影を通して心に深く刻まれたことはありますか?
妻夫木「僕自身も知らない沖縄というのがありました。僕は沖縄に親友がたくさんいるんですけど、沖縄って海も空もきれいなアイランドリゾートっていうイメージを持っている人が多いと思います。でもある時、沖縄の友人が海沿いのカフェに連れて行ってくれて、お茶をしていたら、すごい轟音を立てて戦闘機が屋根の上を飛んで行ったんですよね。その時、友人が『妻夫木、これが沖縄よ』って言ったんです。その瞬間にハッとさせられました。見て見ぬ振りをしていた沖縄がある。僕たちはそれを知らなきゃいけない、って。僕たちはどういう未来にしたいのか、一緒に考えていけたらいいなという思いでこの映画を作りました」

──── メッセージ性に富んだ作品ですが、一番伝えたいのはどんなことですか?
大友監督「昔、朝の連続テレビ小説で沖縄を舞台にした『ちゅらさん』というドラマを作ったことがありました。その当時からまさにリゾートアイランドとしての沖縄は、僕も意識していました。でも、戦争が終わってから20年もアメリカに統治されていた時代に、沖縄の人たちがどんな感情で生きていたのかということは、あまり知られていない。だからこの映画を通して、あの時代に沖縄で生きていた人たちの感情を追体験してもらえたらと思っています。あのような環境にあったら同じ行動をとったかもしれないとか、どうして『宝島』っていうタイトルなんだろうとか、そんなことを考えてほしいなと思って作っています」

──── 映画タイトルの『宝島』は、妻夫木さん演じるグスクたちにとって沖縄のどんなところが宝だったと思いますか?
妻夫木「グスクという役を演じているときは、毎日生きるのに一生懸命で本当にがむしゃらでした。できあがった作品を観て思ったのは、沖縄には昔から『ぬちるたから』=『命こそ宝』っていう言葉があるんですよ。やはり、それなんじゃないかな。この映画を通して、僕の死生観が少し変わりました。死はどこか終わりを意味するものだと捉えていましたが、もしかしたら死は終わりじゃなくて、永眠という言葉があるけど、ただ眠っているだけなんじゃないか。心の中でずっとみんなと一緒に生きているんじゃないか、そう思うようになりました。命は絶えず燃えている。そういう命こそ、やっぱり宝なんじゃないかと思っています」

──── 特に印象に残っているシーンや台詞を教えてください。
妻夫木「たくさんあります(笑)。後半にグスクと窪田正孝さんが演じるレイが想いをぶつけ合うシーンがあるんですけど、そのシーンが特に印象的でしたね。いくら台本を読んでも、役作りをしても見えなかったものが、実際にレイを目の前にしたときに出てきたんです。僕自身、現実にグスクの人生を30数年間にわたって生きたわけではないけど、グスクの歴史が走馬灯のように目の前に出てきて、グスクとレイは平和な世の中を作りたい、誰かを救いたい、その気持ちは同じなのにどこで道を間違えたのか。正義って何なのか、あのぶつかり合いがやるせなかったですね。グスクの台詞で『やられたら、やり返すのか』っていうのがあったのですが、その言葉が僕にも響きましたね」

──── (司会者)最後にご挨拶をお願いします。
大友監督「僕は盛岡で高校時代を過ごしました。野球少年で甲子園を目指していたのですが、ケガで野球ができなくなりました。それで地元の映画館に通うようになって、暗闇の中で映画を観る楽しみを覚えました。その時思ったのは、例えばフランス映画を観たりイタリア映画を観たり、ハリウッド映画を観たりすると、自分が体験できないことを映画の人物として体験できたり、行ったことのない世界を見ることができたりするんですよね。映画館に行くことは、自分の知らない世界に触れること。孤独だった高校生の僕は、そこにいろんなことを学びました。『宝島』もやはり知らない世界。そこから逃げるのではなく、知らないことを知ろうとすることが一番のエンターテインメントなんじゃないかと思います。引き続き、映画を楽しんでください」

妻夫木「映画『宝島』を観てくれてありがとうございます。映画って本当に不思議なもので、僕たちがこの『宝島』という映画を作らなければ、今この瞬間にみんなとは出会っていないんだよね。面白いよね、生きるって。だから皆さんの目の前にも、気づかないうちにたくさんの小さな幸せっていうのがあると思う。そういうのを見逃さないようにして、がっちり掴んでほしいと思います。高校時代はスポンジのようにいろんなことを吸収できる時期。精一杯今を楽しんで生きてほしいです。そんな想いも込めて、この映画を作りました。少しでもパワーを皆さんに受け取ってもらえたら、僕は本当に幸せです」
〜ありがとうございました〜
※一部抜粋してご紹介 ※質問と写真は連動していません

授業終了後、妻夫木さんが参加者一人ひとりに名刺を渡し握手をしてくれました
高校生にとって平和を考えるとても貴重な機会となりました
ありがとうございました
授業終了後、妻夫木さんが参加者一人ひとりに名刺を渡し握手をしてくれました。高校生にとって平和を考えるとても貴重な機会となりました。ありがとうございました。
〜みなさんも映画館で体感してください〜
〜みなさんも映画館で体感してください〜
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